家が全壊⑬【西日本豪雨災害の記録】

前回の話はこちら↓

【西日本豪雨災害の記録⑫】

一番最初はこちらから↓

【西日本豪雨災害の記録①】

元気だった祖父が、被災から4か月後亡くなりました。

全てを見ていた・・・

今回は、祖父母の家に30年近く飾ってあった時計の話です。

 

 

 

部屋の高い位置にあったので無事だったようです。

 

この時計は、あの日ずっと見ていたのでしょう。

 

家に泥水が押し寄せてきた瞬間も

水がみるみる溜まって

家の中が様変わりしていく様子も・・・

そんな中でも変わらずいつも通り

ずっと鳴りつづけていたのでしょう。

 

変わり果てた家の中で、呆然と作業をしながら

時計が鳴る度、涙が出たと母は語っていました。

時計のその後

息子の中では

時計を鳴らせるのは、じぃじ。

 

毎時間、時計が鳴る度に呟いていました。

 

「じぃじ、いないねぇ。じぃじ、病院?」

「じぃじの時計、かっこいいね~」

「じぃじ帰ってこないかなぁー!」

 

最初、祖父から持って帰ればと言われた時は

断ってしまったけど・・・・

 

亡くなる2日前に、改めて許可をもらいました。

祖父は嬉しそうににっこりしてくれていたな。

 

実家で電池を抜いて保管するより

我が家で毎時間、喜ぶ息子のそばで

鳴らし続ける方がきっといいでしょう。

 

30年近く祖父母の家で時を刻んだ時計が

我が家に引き継がれました。

 

息子は音楽が鳴ると毎時間、ダッシュで駆け寄り

動くからくりをうっとり眺め呟いています。

 

「最後の時計」というワードが少々気になりますが・・・(謎)

 

(↑被災から5日後。初めて家に入れた時の画像)

参照:【西日本豪雨災害の記録⑧】

 

続きます。

家が全壊⑭【西日本豪雨災害の記録】

 

 

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