家が全壊⑬【西日本豪雨災害の記録】
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元気だった祖父が、被災から4か月後亡くなりました。
全てを見ていた・・・
今回は、祖父母の家に30年近く飾ってあった時計の話です。
部屋の高い位置にあったので無事だったようです。
この時計は、あの日ずっと見ていたのでしょう。
家に泥水が押し寄せてきた瞬間も
水がみるみる溜まって
家の中が様変わりしていく様子も・・・
そんな中でも変わらずいつも通り
ずっと鳴りつづけていたのでしょう。
変わり果てた家の中で、呆然と作業をしながら
時計が鳴る度、涙が出たと母は語っていました。
時計のその後
息子の中では
時計を鳴らせるのは、じぃじ。
毎時間、時計が鳴る度に呟いていました。
「じぃじ、いないねぇ。じぃじ、病院?」
「じぃじの時計、かっこいいね~」
「じぃじ帰ってこないかなぁー!」
最初、祖父から持って帰ればと言われた時は
断ってしまったけど・・・・
亡くなる2日前に、改めて許可をもらいました。
祖父は嬉しそうににっこりしてくれていたな。
実家で電池を抜いて保管するより
我が家で毎時間、喜ぶ息子のそばで
鳴らし続ける方がきっといいでしょう。
30年近く祖父母の家で時を刻んだ時計が
我が家に引き継がれました。
息子は音楽が鳴ると毎時間、ダッシュで駆け寄り
動くからくりをうっとり眺め呟いています。
「最後の時計」というワードが少々気になりますが・・・(謎)
(↑被災から5日後。初めて家に入れた時の画像)
続きます。
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