家が全壊⑭【西日本豪雨災害の記録】

前回の話はこちら↓

家が全壊⑬【西日本豪雨災害の記録】

 

数か月の間に

色んなことがありました。

祖母は喪服も被災で失っていた上

色々なことが急だった為

急遽購入した羽織物や借り物の靴で

祖父の葬儀に参列しました。

そして秋も終わり・・・

 

 

 

解体の手続きはしていたものの

日程などは全く聞いていなかった為

偶然話を聞いて、驚いて駆けつけ

絶句したそうです。

 

たった数か月前までは

当たり前の日常を過ごしていた家の

変わり果てた姿。

 

いっそ

見なかった方が良かったのか

それとも

見れて良かったのか・・・

分からなかったと言います。

 

 

足元には瓦や壁、割れたガラスなどに混じって

食器やアルバムらしきもの

文集のようなものなどが見えました。

 

瓦礫の中にある

確かな生活の痕跡。

 

言葉に言い表せない

空気と景色でした。

 

「昔からずっと、

みんなの伸長を記録してた柱は

この辺かな・・・」と

母と二人、瓦礫の上を歩きました。

 

それ以上はもう

言葉が出ませんでした。

 

2018年が終わりました。

そして・・・

半年で何もかも変わってしまいました。

 

祖父母がずーっと暮らしてきた町。
母達が産まれ育った家。
築いてきた歴史、思い出、日常。

親しくお付き合いしていたご近所さんもそれぞれ、離れ離れになり家も完全に無くなり、お墓も移し・・・

 

当たり前のように

みんなで集まって笑っていたあの土地。

段々と訪れる機会も減っていくのかも知れません・・・。

 

今回で一旦

この話しに区切りをつけようと思っています。

祖父母から話を聞いたり、現地の状況を見ていて、これは絶対に記録に残さなくてはならないと強く思いました。

しかし、このように漫画にすること

そしてそれを発信することに

最初は色々と悩みました。

漫画を描いたことのない自分に出来ることなのか、読んだ人達にどんな風に受け取られるのか・・・そもそも漫画にしていいのか・・・?

 

けれど

多くの方に読んでいただき

沢山のご感想や励ましのメッセージを寄せていただき

私はもちろん、祖父母も大変励みになりました。

ありがとうございます。

そして災害当時の状況を聞いて描き始めたものが、途中から現実に追いつきました。

まさか祖父を亡くすなど思いもよりませんでした。

 

涙を浮かべながら描いた絵。

泣きながら書いた文章。

 

災害の恐ろしさやリアルな状況

人の優しさや温かさ

繋がりや思いなど

拙い絵と文章でしたが

何か少しでもお伝えできたとしたら幸いです。

読んでいただきありがとうございました。

改めてお亡くなりになった皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 

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